ドイツ出張で感じた「日本人であること」とは
コロナが世界中に蔓延する2年前ですが、仕事でドイツへ出張していました。
ドイツの取引先とデュッセルドルフでの展示会を視察するために行っていました。
ドイツの取引先とは長いパートナーシップを気づいており、うちの担当してくれている人には現地でのアテンドをやってくれて非常に助かりました。
その彼はドイツ在住の中国人です。
私と年齢も変わらず、在住歴も長く、ドイツ語・中国語・英語が流暢な「ナイスガイ」です。
私の帰国日に彼が展示会場から空港へ向かうバスの乗り場まで向かう途中、彼が会場の職員にバス乗り場を尋ねました。
その時、こちらが話しているのを遮り、見知らぬドイツ人が職員へ話しかけました。
それを見た彼がドイツ語で割り込んできたドイツ人へ抗議したのです。
スゴイ剣幕で、私は今までそのような表情を見た事がなかったので、面食らってしまいました。
ドイツ人が去った後、彼に事情を聞くとドイツでも少なからずアジア人への偏見が残っている。アジア人であるからあの様に割り込みをされる事がある。そこで黙っているだけでなく、抗議をし続けなればならない。
ヨーロッパで、しかも今の時代で!?と思いましたが、地域・時代に限らず偏見や差別は少なからず残っているものであるとひしひしと感じました。
彼がこれまでどんな境遇に会ったかは分かりませんが、異国の地で働くことは、やはり人種の壁はあるものだと感じました。
日本に住んでいる限りはこのような人種差別を受けることはまずありません。
しかし、いざ自分が差別にあったときに彼の様に戦えるかと言われると、必ず戦えると言えません。
それは、自分自身、あるいは広義的に日本人であることにしっかりと誇りをまだ持てていないと思うからです。
私は愛国心を持てとか、日本が1番であると言っている訳ではなく、ただ差別や偏見に対して確固たる気概を持っておきたいと思いました。